2016年12月25日日曜日

旧校舎でのふしぎなできごと

やあやあ、君も旧校舎に遊びに来たんだねぇ。
奇妙な噂の多いここだけど、
今日は何だか楽しいことが起きてるみたいだよ。
たとえば、こっそり誰かにプレゼントを渡したりとかね。
君にも何か、楽しい驚きが待っているといいねぇ。

灼滅者仲間に促されて踏み入った旧校舎。
そこでわたしは不思議な体験をするのでした。
これはその時のお話。


旧校舎、一体どんなことが起きるのでしょうか。

【大好物の匂いが漂ってきた】
クンクン、今は冬なのに不思議です、スイカの匂いがします。
もうちょっと歩いてみようかな。

【急に明かりがついた】
あれ、さっきまで真っ暗だったのに。
誰かいるのでしょうか?(キョロキョロ
だ、誰か、いるのですか?

【赤黒い文字の手紙を拾った】
こ、こ、これは…血?でもまさか、さすがに血糊ですよね。

【幸せな未来の幻が見えた】
あれ?今見えたのって私と…隣の方は誰でしょう?
なんだかとても暖かそうな雰囲気でした。
私にもそんな未来がいつか訪れるのでしょうか…
(さらに先に進んでいく

【肖像画の人物が涙を流した】
きゃっ!? な、泣いてる…? ま、まさかそんな、絵が泣くなんて…
なんだか薄気味が悪いです。(ドキドキ

【割れるような鐘の音が聞こえた】
(大音響に気づいてとっさに耳をふさぐ)
うぅ…こんな真夜中だからって、…!?
(腕時計を確認するとなんと24時ぴったり)
なるほど、それで鐘がなったのですね。
でもだからと言ってそんなに大きな音でならなくてもいいのに…

【何かを数える声が聞こえる】
あら、何かしら?
(ぼんやり聞こえる声に近づくかちょっと迷ってしまう)

【誰かに膝カックンされた】
(不意打ちにガクッとその場に倒れてしまっておでこを床にぶつけてしまう)
イタタタ…
(おでこをさすると思ったより腫れていそうで少し熱い)
うぅ、たんこぶできちゃったかも…小学生の時以来かも…
(目をつぶってまたさすってみたり)
(気がつけばほっぺも熱くなっている)
うーん、帰った方がいいでしょうか。
でもスイカの匂いがきになるのです。
どこかの部屋でスイカをだれかが食べてたりして…
でも、スイカをたべるって一体誰が?
あ、でもでも、今日はクリスマスパーティーで
ここが解放されているはずだからそういう人もいる…かも?

【黒衣を纏った謎の集団に遭遇】
え、ぇ…!?
ぁ、や、やっぱり他の人も来てたんだー、よかった、私一人じゃないのよ、ね。
(キョロキョロ見回すがやっぱり一人)
さ、さっきの人たちについていけばきっと大丈夫…のはず。
(グッと拳を握りしめてさっきの集団の行った方向へ勇気を出して歩き出す)
(時々聞き耳を立ててみるもののひそりともしない夜の校舎)
あれ?こっちだと思ったんだけど…もしかして、私、迷っちゃ…った?
(さーっと血の気が引いていく

【すごいお宝の幻が見えた】
ぇ、ぇ、何?今のすっごい金銀財宝がジャラジャラな…
(ほっぺつねってみたら痛くて、息を飲んだら幻が消えてしまった)
(幻が消えてしまってもぼうっとする頭で)
あれはGOLDですよね。
ってことは、あれだけあったら100万円とか200万円とか、
いやもっとするのかな、そしたらあのおしゃれなアパートに
引っ越すことも夢じゃないかもー♪
あ、あれ?
(気がつけば真っ暗な廊下の突き当たりに立っていた)
ここは…?

【肖像画の人物がにっこり笑った】
(釣られて微笑み返してしまう)
(が、一瞬背筋が寒さを覚えて)
きゃー!!
(と叫んで一目散に走り出す)
(走り出したもののどこをどう通ったか全くわからないので迷子になってしまう)
こ、ここ、どこ…?
なんだか怖いよう、もう、帰りたいよう…

【名状しがたい呪文が聞こえた】
わ、わ…こ、これ、もしかしてさっきの人たちの…?
ソロモンの悪魔とかじゃないよね…?
(ビクビクしながら声のする教室を窓からそっと覗き見ようとする
あれ…だれも…いない…?
(部屋を覗き込んだ瞬間から呪文の詠唱が途切れていることに気がついて)
じゃぁ、さっきの声って……
(振り返ると

【黒猫が足元に絡みついてきた】
(さわさわっと何かが足元に絡みついて来て)
……!!
(声が出せないくらい驚いたところでにゃーんと猫の鳴き声がする)
にゃーん…?ぁ、よ、よかったぁ。猫かぁー。
…もぅ、驚かせたらダメなんだからね、
マジで心臓止まっちゃうかと思ったんだから
(ねー、と猫を抱きかかえて)
黒猫ちゃんかぁ、
(何処かの誰かを思い出した)
あのいたずら猫とは大違いね。
…ぁ、でも私この猫にいたずらされたのでした。
(がっくり)
(猫が腕の中で暴れるので解放してやる)
お前、どこから来たの?出口を知ってるなら案内してよ。
(スタスタと歩いていく黒猫をしぶしぶ追いかけて)
こっちでいいの?いいのよね?
(ビクビク怯えながらも先へと進む)

【お札まみれの扉を発見】
ぇ、ぇと…こ、ここは…。あ、猫!
(目で追いかけると黒猫はいつの間にか闇に紛れて見えなくなっていた)
こここ、これ…なんかヤバそうなのの封印の場所だよね。
キョンシーとか、で、出てこないよね。
(ど、どうしよーと行動を決めかねていると)

【割れるような鐘の音が聞こえた】
ま、また!?
(慌てて耳をふさぐいでも聞こえる大きな鐘の音にキーンと耳鳴りがなってしまう)
(鐘の音がやむとしばらくしたら耳鳴りも消えたので大きく息を吐く)
それにしても、うぅ、どうしましょう。
(目の前には相変わらずお札まみれの扉)
そう言えば時間…
(慌てて腕時計を確認するも1時にはまだ9分ほど足らない)
あれ?
(手の甲で目をこすってみる、やっぱり足りない)
でも秒針はちゃんと動いてるし…

【ふとめまいを感じた】
ぅ…そう言えばいつも寝る時間、もう過ぎてる…
やっぱり帰ったほうがいいですよね、調子悪いとサイキックうまく使えないし…
(お札まみれの扉がどうしても気になるが、開きませんようにと祈りつつ
出口を探して再び歩き出す)
(結構歩いたような気がする)
うぅ、出口はどこでしょうか…。

【誰かに膝カックンされた】
(今度は踏み止まった)
わわ、ま、また!?
(大丈夫だったことに安堵して)
もう、いたずらするのは誰ですか?
私さっきなんかおでこ打ってまだ痛いんだからね!
(プンプン怒って振り返ると

【目の前に人形が落ちてきた】
ひっ……!!?
(床に転がる人形に近づけずに)
あ、ああ、あなたが膝カックンしたの?
(物言わぬ人形、それどころか指ひとつ、髪ひとつ動かない)
……、…ばかね私ったら、ただのお人形がものを言うはずがないじゃない、
きっと疲れてるんだわ。
うーん、でもこのお人形、このままにしておくのはかわいそう。
(とりあえず拾って髪を整えてあげる)
うん、これで綺麗になった。見れば可愛らしいお人形さんね。
私の趣味には少し合わないけれど…
(クラブでどの人が持ったら似合いそうか、
いやむしろどの人が持っていそうかとか想像(妄想)しながら)
きっと誰かの落し物ね。なら、目につく場所がいいわよね。
(適当な場所をキョロキョロ探す)
あそこが良さそうね。
(月明かりが当たる窓辺のロッカーの上にお人形を座らせる)
早くご主人様に会えるといいよね。ばいばい。
(ニコッと微笑んで小さく手を振って別れを告げる)

さて、えーと…あぁ、そうです、お家に帰らないと。
(さらに歩みを進める)

【どこからか冷たい風が吹いてきた】
せめて出入り口を見つけないとですよね。うぅ、冷たい…。
風がどこかから吹き込んでいるのかな。
旧校舎なら用務員さんも管理してないはずよね、
窓とかどこか壊れてたりするのかな。
(近くの窓を見てみる)
壊れてなさそう…。

あ、そうだ。
(誰もいないよねと周りを見回してから
思い切って窓辺の高さまで足をかけて登るとそこから景色が見えた)
(窓から見えたのは少し違う景色、夜なのと、いる場所が違うからなのかも?)
えーと、向こうの建物の1、2、3階が同じ高さだから、ここ、3階なのね。
私いつの間に…
(登ってきたんだろうと考えると黒い服の人たち追っかけた時か、
あぁ、でもよくわからないままに走ったような記憶もある)
とりあえず1階に降りるのが先決よね、…多分。
(よいしょっとそこからジャンプ)

うぅ、まだ少し痛いですー。
(おでこ押さえながら階段を探して歩いていく)

【顔面にケーキが飛んできた】
(突然のことなので逃げられなかった)
(訳も分からず涙が溢れてきて、ぼとぼととケーキとともに服に足元に落ちていく)
(しばらく泣いて、泣いてもどうしようもないと覚悟が決まるまでまたしばらくかかった)
(生クリームで裾が汚れるのもかまわずに顔を拭って)
洗面所がもう少し行ったらあるはずだから…
(自身を納得させつつさらに先に進む)

【石膏像がウィンクした】
あ、あれはミロのヴィーナス…ぁ、ど、どうも。
(ペコッとお辞儀してそそくさと先へ進む)

【迷路のような廊下に迷い込んだ】
これは…困ります。私、迷路は得意じゃないのに…。
(他に道はなさそうだったので仕方なく廊下を進む羽目に)
(歩きながら前髪についた生クリームが気になったので指で拭って落とす)
うぅ、帰ったら絶対、ピンクの薔薇の入浴剤のお風呂に浸かって
入念にシャンプーリンスしないと…。

ん?
【赤黒い文字の手紙を拾った】
これは…もしかして入ってすぐに見つけた手紙?

だったらラッキーです♪
もうすぐ出入り口があるはず……な訳ないか。
(まだ階段を一つもおりてないことに気がついてがっくり)
あーあ、せめてこの廊下を抜け出すヒントとか書いてあったらいいのに…
(じっと手紙を表書きを見る)
(行書が達筆すぎて読めなかった)
裏は…何も書いてないわね。
(開けちゃおうかしら、開けて読んじゃおうかしら、
と思うもさっきの行書を読めなかったのをすぐに思い出して諦めた)
これホントに血で書いてああったりするのかしら、もしそうなら悪趣味よね。
(ブツブツ呟きつつぞんざいに手紙を持って歩き出す)

【超長い階段に迷い込んだ】
あ、か、階段です! ここまで長かったです。
やっと下に降りれるのね。
(バンザーイとした拍子にさっきの手紙を見失ってしまう)
と、とりあえず降りちゃいましょう。
このまま目指すは1階です。(ぐぐっ

えーと、踊り場はもういくつ目かな?次も階段です?

そろそろ結構降りてきているんだけど…
おーい、どこまで続くんですかーっと。

ぇ、ぇ…もう地下よね、絶対地下よね??
(もう何度も廊下はないかと分岐点を探しているけど全然見つからないのに焦りを感じ出した)

で、でも、一本道ですし…戻るわけには
(後ろを振り向いて延々と続く階段を見上げる)…行きませんよねぇ…。

【顔面にケーキが飛んできた】

(ベチャ…かろうじて目を閉じれたことが幸運か)
うぅ、さっきからひどいですよう。一体誰がこんなケーキとか投げてくるんですか。
(ぐしぐしと再び裾で拭って目の周り、ほっぺたあたりがひどいことになってる)

【誰かに膝カックンされた】
はぅ…!

(されて勢いで生クリームのついた足元が滑り
延々と長い階段を転げ落ちると、薄暗い廊下が見える)
うぅ、痛いですー。
(涙を反対の裾でぐしぐし拭いて)

灼滅者じゃなければもしかしたら死んでたかも…お父様……。 お母様……。
でも、帰らなきゃ。みんなが待ってるから…。

【白装束の女性とすれ違った】
ぇ…お母様……?待ってお母様…!
(振り見ると影も形も無くなっていた)
お母様なんて、うそ…。私のお母様は…あの時に……。
(言葉を飲んで何度も深呼吸をして息を整える)

帰らなきゃ…。
(熱も手伝って、憂いを湛えた眼差しで、
呆とあらぬ所を見遣りつつあてもなく廊下を彷徨う、
ただひたすらに出口を探して)

ここは…?
【くすくす笑う声が聞こえた】あなたは…?
【背後で何かが壊れる音がした】暴れちゃダメだよ…。
【大切な人の幻が見えた】おじいちゃん…うん、うん、わたし、頑張るね…。
【人体模型が体操していた】七不思議だと校庭走ってるはずなのに…。
【目の前が一瞬吹雪に覆われた】わたし、死ぬのかな…。
【知らない男子にいたずらされた】ひどい人、あなたはだあれ…?
【窓に電飾のような光が灯った】アウリン、たつまきして。

(ナノナノが窓を壊すと光が消えてわたしは気を失った。
次の日の朝、わたしは助け出された。
あとで聞いた話によると、旧校舎の中庭で倒れていたらしい。
どうやってあの空間から抜け出す事ができたのかは分からなかったが、
祖父が助けてくれたのだ、と、わたしは今でも信じている。)